落語「鼠穴」

おかもと社長

2016年12月01日 19:55

すんません、ここんとこ、ちょっと忙しかったので・・・
ブログ更新が途絶えておりやした(笑)



今日から師走ですなあ。。。

好きな落語噺をひとつ。





「鼠穴」(師走の時期のネタ)

酒と女に身を持ち崩した百姓の竹次郎。

おやじに譲られた田地田畑もみんな人手に渡った。

しかたなく、
江戸へ出て商売で成功している兄のところへ尋ね、
奉公させてくれと頼むが。。。

兄はそれより自分で商売してみろと励まし、元手を貸してくれる。

竹次郎は喜び、帰り道で包みを開くと、たったの三文。

馬鹿にしやがってと頭に血が昇ったが。

ふと気が変わり、地べたを掘っても三文は出てこないと思い直して、
これで藁のさんだらぼっちを買い集め、
ほどいて小銭をくくる「さし」をこしらえ、
売りさばいた金で空俵を買って草鞋を作る、
という具合に一心不乱に働く。

その甲斐あって二年半で十両ため、
女房も貰って女の子もでき、
ついに十年後には浅草蛤町に
蔵が三戸前ある立派な店の主人におさまった。

ある風の強い日、
番頭に火が出たら必ず蔵の目塗りをするように言いつけ、
竹次郎が出かけたのはあの兄の店。

十年前に借りた三文と、
別に「利息」として二両を返し、礼を述べると・・・

兄は喜んで酒を出し、
あの時におまえに五両、十両の金を貸すのはわけなかったが、
そうすれば景気付けに酒をのんでしまいかねない。
だからわざと三文貸し、
それを一分にでもしてきたら、
今度は五十両でも貸してやろうと思った
と、本心を語る。

さぞ恨んだだろうが勘弁しろ
と詫びられたので、
竹次郎も泣いて感謝する。。。









この噺は、談志が得意でした。





師走は、一年の締めくくりです。

いいことも悪いことも、除夜の鐘で忘れるんだろ!

という台詞があるのは「芝浜」ですが(笑)




でも、この「鼠穴」も、兄弟間で筋を通す、なかなかの人情噺です。

商売人には、なかなか心に響く、噺、です。。

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