2016年01月07日

日本人特有の空間のとらえかた

先日、YouTubeで、チームラボ代表猪子氏のTEDプレゼンを聞きました。
プレゼンテーマは「日本文化と空間デザイン」

独特の視点で、しびれるほどおもしろかったです。


猪子氏の表現は、パースペクティブ、という表現が出てきたりして、
若干難解な部分もあるにはあったのですが(失礼!)・・・


僕なりに、猪子氏のプレゼンを解釈すると。。。


欧米人は空間を主観でとらえている。
日本人は空間を俯瞰でとらえている。

日本人は無意識で俯瞰感覚を持っており、
それは文化とも大きく関係している。



なるほど、そうかもしれない、と感心ました。



たとえば、こういうことです。



モナリザ。
日本人特有の空間のとらえかた

女性はあなたをじっと見つめています。
私(=この絵をながめているひと)も、女性を見つめているのです。

私(絵を見ているひと)からみると、背景の風景は若干ぼやけて見えます。
実際、そう見えるのだから、そう絵でも表現されています。


落穂ひろい
日本人特有の空間のとらえかた

私は3人の作業する女性を見つめています。
ずーっと広い草原のような後ろのほうに、
ずーっと向うに建物が見えます、
遠くにあるんだから、大きな建物だけど小さく見えています。


僕は絵についての専門的な知識はないので・・・
絵画的な遠近法がどうのこうの、といった話は、ここではいったん置きます。


モナリザや落穂ひろい、といった絵は、欧米では多く存在します。
「自分から」見える光景や風景を実に巧みに描いています。

そうなんです!
欧米人は主観的に空間をとらえている。


では、古くからある、やまと絵をみてみましょう。
欧米表現とはまったく異なります。


源氏物語絵巻
日本人特有の空間のとらえかた

日本人特有の空間のとらえかた

風景と人物が一緒くたです。
2枚目にいたっては、人物だけでなく、山までくっきりと表現されています。

こんな風には、実際には見えません。
でも、違和感なく日本人はこの絵を眺めることができます。



洛中洛外絵巻
日本人特有の空間のとらえかた

もう壮大な世界観です。


同じく、洛中洛外絵巻より
日本人特有の空間のとらえかた

鳥瞰図のように、広範囲に空間が描かれています。



長篠の合戦絵巻
日本人特有の空間のとらえかた

こんな風に見えてるひとは、この世に存在しません。
鳥にでもならないかぎり、こんな景色を見ることは不可能です。

でも、昔から日本人は、こういう絵をいっぱい書いてきました。
欧米には、こんな表現の絵は、存在しないのだそうです。



そうなんです!
日本人は、空間を俯瞰的にとらえているのです。



この空間のとらえ方、はゲームでも顕著にあらわれます。

もっかいモナリザを
日本人特有の空間のとらえかた

欧米のシューティングゲーム画面
日本人特有の空間のとらえかた

欧米の運転ゲーム画面
日本人特有の空間のとらえかた


どうです?
すごく「主観的」に空間をとらえているなって気がしませんか??




では、日本ではどうか。

もう一度、源氏物語絵巻をみましょう。
日本人特有の空間のとらえかた

こちらはスーパーマリオ
日本人特有の空間のとらえかた

日本人特有の空間のとらえかた

マリオの世界観がぎゅぎゅっと表現されています。
日本人ならでは、なのだそうです、こういう表現の仕方は。



長篠の合戦絵巻
日本人特有の空間のとらえかた

ゲーム「信長の野望」より
日本人特有の空間のとらえかた


しつこいようですが、こんな風には、実際には「見えていない」
しかし、日本人は、違和感なく感じることができる。


そう、
日本人は空間を俯瞰的にとらえる文化、がある。




建築もひとつの空間デザインであり・・・
日本人のなかにながれている「空間のとらえかた」は、
住宅建築にも大きく影響しているように思います。


吹き抜けから落ちる陽光や星空、
地窓から見える坪庭の木々、
外の庭木を取り込む借景・・・

日本人は、無意識に空間を「俯瞰しながら」とらえているにちがいない


この視点は、大きなヒントです。
住宅建築にも、この視点は活かせそうです。


猪子さんって、すげえな、と思いました。
猪子氏TEDプレゼンは、こちら。

ご興味ある方は、聞いてみてください。






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Posted by おかもと社長 at 11:47│Comments(0)ひとりごと
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