2016年08月29日

リオで印象に残った3人の名将

監督やコーチってのは、タイプはじつにさまざまで。

まず光ったのは、
柔道の井上康生監督(38)。


前回大会のロンドンで柔道は惨敗を喫しましたが・・・

『全階級でメダルを!』

このスローガンを掲げ、リオでは見事な結果を残しました。

柔道界の古い体質の変革にも手をつけました。
非科学的な根性論(漠然とした長時間練習など)を廃止。

柔道は個人競技なので、
各個人に応じた「担当コーチ制」の導入にも踏み切ます。


リオで印象に残った3人の名将


柔道という、日本伝統の格闘技のおかげか、
井上監督は、誰に対してもとても礼儀正しく、謙虚な人柄だそうで。
その一方で、義理人情に厚く涙もろい一面もあるそうです。

たしかに、大会後のインタビューでの男泣きは、記憶に残りました。

リオで印象に残った3人の名将


井上監督の魅力は、
なんといっても日本人好みの武士気質、にあります。



年齢的にも選手に近く、尊敬される指導者、という感じで。
日本チームを率いました。

日本の女性には、井上康生ファンは多いのではないでしょうか笑








もうひとり、印象的な名将がいました。

卓球女子を率いた、村上恭和監督(58)。

リオで印象に残った3人の名将


村上監督は、’08年北京大会後より、日本女子代表チーム監督に就任。

前回の’12年ロンドン大会で日本卓球史上初の女子団体銀メダルを獲得、
’14年世界選手権でも団体準優勝に導き、
そして、今回のリオでも団体銅メダルを獲得。

輝かしい戦歴を持つ、名将です。


村上監督は、とてもまじめで研究熱心。
団体戦では「順番」がきわめて重要で、
相手チームのオーダーを予想し、ち密に作戦を練らなければなりません
相手チームのビデオ分析は、ほぼ毎日欠かさないといいます。

観察力は卓越しており、ゲーム中に相手選手の弱点を見抜いて、
選手に作戦を授けるアドバイスは、じつに的確なんだそうです。

研究熱心さゆえの、武器なのでしょう。

村上監督も、先の井上監督同様、
各選手ごとに「担当コーチ」をつける、担当コーチ制を導入。

卓球は個人競技であって、
各選手ごとにスタイルがあり、
それぞれで戦術を組み立て、
各選手ごとに得手不得手な選手が異なるため、
一律の画一的なトレーニングでは、世界では戦えない、、、

それが村上監督の理論でした。
理にかなっています。


人柄は、とても温和な性格で。
選手を怒鳴ったりすることは、ほとんどないのだそうです。


それよりも、
「なぜそのミスが出るのか?」
「どうしたら有利な状況に持ち込めるか?」
そういったことを選手自身に考えさせるタイプ。


卓球は、100m走をしながらチェスをすような競技、と評されるほどの頭脳戦でもあります。

卓球の場合、選手自身で局面打開するしかないわけで、
考える力をつけさせる、
選手が考えるヒントを提示する、
そういうタイプの指導者がいいのかもしれません。



女子チームならではのむずかしさもあったと思います。
特にリオでは、準決勝ドイツ戦、
日本は4時間に及ぶ激闘で、最後の最後で敗れました。
前回ロンドン銀よりは下回ることが確定した瞬間です。

ドイツ戦で2敗したキャプテン福原と、
同じくミス連発で2敗した伊藤の2人の落ち込み方は想像に難くありません。
実際、銅をかけた3位決定戦シンガポール戦の直前まで、
3人の雰囲気は暗かった、といいます。


3位決定戦の当日、
村上監督は、優しい笑顔で現れ、
失意の三選手たちに優しく語りかけたそうです。

『メダルを獲るチャンスじゃないか。
 後悔だけはしないようにがんばろう』



お前ら、なにがなんでも勝ってこいよ、とか、
メダルなしで帰れないぞ、お前ら!、とか、
そういう気合いめいたことは、いっさい口にしないのが、村上流。




見事な銅メダル獲得でした。。。
リオで印象に残った3人の名将



ち密な作戦立案、
卓越した観察眼、
選手自身に考えさせる、
まさに、智将。




村上監督、リオ後に辞任を表明。
いや、じつに惜しい。
2020東京大会まで、村上さんにやってもらいたかったなあ。。。











そして、最後のひとり。。。
先の井上監督や村上監督とは、まったく違うタイプの・・・

昭和スポ根むきだしの(笑)、
シンクロナイズドスイミング井村雅代監督(66)

このひとのことは、もう言うまでもないでしょう笑
とにかく、すごいですわ、このひと・・・

リオで印象に残った3人の名将

リオで印象に残った3人の名将

リオで印象に残った3人の名将

リオで印象に残った3人の名将


井村語録は、とにかくハンパないです(笑)

「ゆるキャラの極み。
 豊かで平和な日本の若者の象徴」
「丸くて、絞れていなかった」

('14年日本チーム復帰直後のコメント)



「命を懸けていかな。
 美しさを競うけど、ケンカと一緒。
 ここであかんかったらリオは見えない」

(強化合宿にて)




名将・井村監督の魅力は、
叱りっぱなしにしない、ことに尽きます。

どうしたら直るのか、しつこく言う。
選手が直るまで言い続ける。
できたときは、「できてるで」ときちんと言う。



ただし。
井村監督は選手にやさしい言葉をかけたりはしません(笑)
けっして、ほめることもありません(笑)




ほめるのは、大会で結果を出したとき、と常に言っています。


このストイックな姿勢、
選手のみならず、
自分自身をも厳しく追い込むこの姿勢と、
結果に厳しくこだわる姿勢は、
アマチュアというよりはプロ。


このプロフェッショナル魂こそが、
井村監督の持ち味なのでしょう。


リオで印象に残った3人の名将


リオで印象に残った3人の名将









⇒⇒⇒

どれが正しいとか、間違ってるとかの議論は無意味です。
競技の特性もあるでしょうし。
監督自身の性格もあるでしょうしね。




個人的には・・・
卓球の村上監督、好きだなあ。





この3人は、とても印象に残りました。




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Posted by おかもと社長 at 18:10│Comments(0)ひとりごと
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