2016年09月06日

北斎の世界と広重の世界

葛飾北斎(1760年-1849年)
歌川広重(1797年-1858年)


2人とも、超有名な浮世絵師です。
歌川広重は、安藤広重という名前の方が有名かもしれませんね。

2人の年齢差は37歳離れています。


浮世絵の世界は・・・
長く「歌川派」に代表される美人画や、
伝説の絵師・写楽による役者絵が中心だったそうなのですが・・・



「強烈な風景画」を世に出す絵師が現れました。
それが北斎です。


北斎の「富嶽三十六景」

北斎の絵は、見る人を圧倒させる迫力でした。

北斎の観察眼は、普通のひととは違っていたのでしょう、
デフォルメで描く風景は、現代人の我々がみても圧倒されます。


神奈川沖浪裏 (浪が迫ってくるよう・・・)
北斎の世界と広重の世界


凱風快晴 (すごい赤です・・・)
北斎の世界と広重の世界


北斎ブルーも超越的です。

御厩川岸より両國橋夕陽見
北斎の世界と広重の世界

武陽佃嶌
北斎の世界と広重の世界

相州梅澤庄
北斎の世界と広重の世界

東海道金谷ノ不二
北斎の世界と広重の世界


すごいですねぇ・・・


波の絵と並んで、この絵も超有名。
好きだなー、このデフォルメ。

尾州不二見原
北斎の世界と広重の世界











北斎は、著名な絵師となるのですが。
晩年の73歳のとき、ある無名の若い絵師の風景が大評判になります。

それが・・・
広重の「東海道五十三次」でした。

このとき、広重36歳。


広重の東海道は、1枚1枚に、見る人を圧倒するようなデフォルメは少ないです。

でも、人々を惹きつける絵だったのです。
まるで写真のように、美しく風景を切り取っています。

そして、なによりも・・・
そこに描かれているひとたちの会話や息遣いが聞こえてくるようで、
周囲の暑さ寒さ、音までも聞こえてきそう・・・



江戸出立 日本橋 (にぎわいが聞こえてきそう)
北斎の世界と広重の世界

品川
北斎の世界と広重の世界

戸塚 (茶店の雰囲気、たまりません)
北斎の世界と広重の世界

大磯 (雨音が聞こえてきそうです)
北斎の世界と広重の世界

原 (歌川派の美人画の真骨頂ですね)
北斎の世界と広重の世界

蒲原 (寒そう・・・)
北斎の世界と広重の世界

庄野 (風、つよい・・・)
北斎の世界と広重の世界


53枚も紹介するのは、めんどうなので笑
このあたりで、終わりにしますが・・・

とにかく、広重の東海道五十三次は、ずーっと見てても飽きないのですよ。

これ、すごいすよ。
広重にも、ふつうのひととは違う、観察眼があったのでしょう。






じつは、、、
正直に告白しますと。





僕は浮世絵の勉強なんか、したことがないし。笑

北斎と広重の作風の違いを知ったのは・・・小説でした。



藤沢周平「溟い海(くらいうみ)」

晩年の北斎が主人公で、
若い広重の才能に嫉妬する苦悩を描いた小説。

版元から「評判の東海道を見ましたか」と聞かれた北斎は・・・
気になって仕方がないのだが、気にしないそぶりをする。

風景なんだろ、とそっけないふりをするものの・・・
版元より「たしかに風景なんですが、先生の風景とはちょっと違うと思いますよ」と言われ、
ますます気になる。

ついに、広重の東海道を見た北斎は・・・
1枚1枚に惹きこまれていく自分に気づき、衝撃をうける。。。

たしか、そんなようなストーリーだったか、と。



作中では、北斎は激情的な性格で、広重は穏やかな粋人のように、
藤沢周平は書いています。

実際、そうだったのかもしれませんねえ。。。







恥ずかしながら・・・
この藤沢先生のこの小説を読むまでは・・・

浮世絵なんて、
どれもこれもおんなじようなもんだろ、


と思っていたんです、じつは笑





そこで、はじめて、北斎と広重の違いを知りました。






作風の違い、って重要で。
これは、家づくりにも、たいせつなことだと思いますねー


この違いに気づく「感性」が大事なんです!


たまには美術館とか行った方がいいかもなあ。。。




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Posted by おかもと社長 at 12:41│Comments(0)ひとりごと
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