2017年08月09日

グラバー邸(長崎県)

グラバー邸。
建築にあまり詳しくない方でも、一度くらいは聞いたことのある建築物のひとつ、ではないでしょうか。

竣工は、文久3年(1863年)、
現存する、最古の木造洋館だといわれております。



グラバー邸(長崎県)


中庭を眺めるようにできていますね。
それだけでなく、高台に建っているので、建物内部から海を見ることができます。

グラバー邸(長崎県)



一見、東南アジア風のリゾート建築のように見えますが・・・

この建物は平屋建て。瓦葺。
外壁は竹木舞の下地に漆喰塗。
和風建築の構造躯体でつくられているのです。





イギリス人商人で親日家でもあったグラバー氏は、日本人女性と結婚。

氏のグラバー商会は、薩摩藩や長州藩といった当時の有力藩とも積極的に交流します。


茶や絹といったものが主要品目でしたが、武器や船舶材なども扱ったため・・・

この自宅で密談、、、いや、商談をする必要が多くあったのでしょう(笑)



グラバー邸は、主寝室、応接間、大食堂、という3つの大きな部屋で構成されています。

異国からやってきたグラバー氏は、
自分がくつろぐ自宅、というよりも・・・
多くの日本人と交流対話する空間、として、
この建物を建てたのであろうと思われます。



応接間
グラバー邸(長崎県)


大食堂
グラバー邸(長崎県)




幕末当時の武士や商人たちが、ここで談話し食事をしたのでしょう。

日本の建築にはない、「西洋の息吹」をこの建物から感じたに違いありません。





施工は日本人大工の手によってつくられたといいます。

施工者たちも、きっと「新しい時代の到来」を感じたことでしょう。




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